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アトピー

実は私の旦那も、3歳になる娘も、妹もアトピー性皮膚炎である。半年前に娘がアトピーを発祥してから私も大分勉強しました。今回は特に幼児のアトピーについて書いて行きたいと思う。アトピー・アトピーと一言に言っても、成人のアトピーと、幼児のアトピーでは全く治療方法が違うのである。

現在一般的には幼児の1割程度がアトピー性皮膚炎を患っていると言われるが、実際にはもっと多く、1998年に行われた国の調査によると、小学3年〜高校3年男子の38%、女子の44%がアトピー性皮膚炎にかかった経験があるのだと言う。
又、厚生労働省の推計では、国内の総患者数も、96年の31万8000人から99年には39万9000人に急増している事が発表されている。アトピーという病気はごくごく稀な人間にしか発症しない病気では無いのである。

そもそもアトピーとは何なのか。アトピーとはアレルギー体質と同様の意味であり、アレルゲン(アレルギーの元となる物質)が体内に入った時、それに対する抗体を作りやすくなり、次にそのアレルゲンが入ってきた時、ヒスタミンなどの化学物質が有利し、皮膚炎を起こす現象の事である。誰でも一度はテレビや雑誌などで真っ赤に肌が腫れ上がった幼児の写真など見たことが無いだろうか?あれがアトピーである。

特に3歳以前の幼児のアトピーは口から接種する物質によるアレルギー反応が多いと言われており、具体的に品目をあげてみると、卵、牛乳、大豆などがあげられる。

小さな頃からアトピー用のお菓子、食べ物しか食べたことがないと言う幼児数人に会ったことがあるが、それらのママさんの苦労は筆舌に尽くしがたい物があるようだ。マヨネーズを触った手で子供の肌に触れただけで、腕が真っ赤に腫れてしまう子供。友達が遊びに来ても、アレルゲンを持っている可能性があるので同じグラスで飲み物を飲むことが出来ない。子犬の側に寄ることなどもっての他、夏でも長袖を着て外気から体を守らなくてはならない、と外で見ているだけで辛く感じる事も少なくは無い。

「りょうくんそれは触っちゃ駄目!!!」
「えええええーん」
「又赤くなっちゃうよ。かゆい・かゆいになっちゃうから・・・」

今日も公園に子供の泣き声が響き渡る。「アレルゲンが多くある公園になど来ないで家で大人しくしていればいいのに・・・」と思われる方も多いでしょう。しかし一日数時間でも外に出て、元気に外で遊ぶというのはアトピーの子供に限らず、必要な行為である事は間違いが無い事なのです。

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3歳を経過した辺りで発生するアトピーは食事療法によって完治させる事はまず難しく、環境を変えてたり、体質改善の薬を飲んだりするのが一般的である。そして大概アレルギーの原因を追及する為に、パッチテストやRASTと呼ばれる血液検査を行う。接種した血液から、ハウスダスト、ヒョウヒダニ、卵白などアレルゲンのアレルギー反応クラスを知ることが出来るのだ。クラスは6段階に分かれており、一番悪いのはクラス6となっている。
アレルゲンの原因としてよくよくあげられるヒョウヒダニ、これは家に住んでいるダニの9割を占める種類のダニである。生きている状態では特にアレルゲンとはならないのだが、その死体、及びフンがアレルゲンとなってしまう。最近の発表では布団を太陽に干した際、”叩く”という習慣はこのヒョウヒダニ対策としては最悪の物であるそうである。叩く事により、布団の奥にあったヒョウヒダニの死体が布団表面に上がってくるのみでなく、当然叩いた分死体も増える。アレルゲンを退治する為の布団干しが却って悪化の原因となってしまう。最適なヒョウヒダニ対策としては、布団を干した後、叩かずに家の中に入れ、掃除機で布団表面を綺麗に吸い取るという事が良いそうである。

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話を元に戻そう。しかしアトピーの人でなくても、アレルギー反応は当然出るのだから、単純に試験を行うだけで決定的な原因追及をする事は出来ない。近年のアトピー研究においては、アトピー悪化の原因はストレスなどの心的要因が多く起因している事が分かって来ています。
最近、”チャップリンの映画を見ているアトピー患者は症状を悪化させない”といった研究が発表された。どうも人間は笑っている時はアレルギー症状が緩和されるようなのだ。
なるほど、娘が元気に公園で遊んでいる時はかゆがり、肌をかきむしる事は少ない。しかし、夕方になり「もう帰るわよ!」と声をかけたとたん、腕をかきむしり、暴れ回る傾向がある。特に小さな子供はその傾向が強いようだ。

又近年アトピーの子供が増えた原因の一つに”離乳食開始時期が昔よりも早くなった”事があげられる。というレポートが最近発表された。余りにも早く体に合わない物質を体内に取り込んでいった結果アレルギー体質の子供が増えていってしまったというものだが、現在国の幼児教育においては離乳食は6ヶ月目から開始する事を推奨し、保健所などにおいて教育が行われている。実際我が家もそうしたが、もし前述したレポートが事実であるとするのであれば、国の方で早急に対策を講じる必要性があるだろう。

国のアトピーに対する政策としては、現在アトピーを「学校病」として認定し、治療費を地方公共団体及び国が負担する方向で検討が為されているのだという。アトピー治療には多大な費用がかかる。失礼な話かもしれないが、倒れかかった病院であっても「アトピー」という看板を掲げただけで大繁盛してしまうという現実がここにはある。実際に娘が治療した時の費用を目安としてあげてみると、

小児科     診断料 1500円 薬代 1500円
漢方      飲み薬代 4200円 塗り薬代 5000円 
アレルギー科  診断料  700円 薬代 2000円

これらは2週間単位での金額である。保険医療でない漢方薬の高額さが目につく。これらが国から補助されるのであれば、非常に助かる話である。無論、アトピーにかかる費用は医療費のみでなく多岐に渡り、これだけでは済まないのが現実であるが・・・

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具体的に娘にどのような治療を行ったのか、それはまず湿疹が発生したので行きつけの小児科に行くと「汗疹です」との診断。白色ワセリン(保湿剤)を受け取り、状態を見ていたのだが、どうしても良くならない。そうして渡されたのが「キンダベートン」と呼ばれる幼児用の”ステロイド”製剤である。この薬は効きました。塗って翌日には肌が再生して綺麗になっているような状態でしたが、直ってすぐに悪くなるのです。そして段々腕の一部だけであった湿疹が全身に回り始めました。これはどうもおかしい、汗疹では無いのではないか・・・と思った所、「アトピーです」との診断。しかし特に治療方法が変わる訳ではなく、悪くなったらステロイドを塗り、良くなったらワセリンを塗るという治療を半年ほど続けた。

しかし良くならない。現在日本において、アトピー患者が増えた原因として、前述した”ステロイド”製剤を使いすぎ、副作用として”ステロイド焼け”による物だという論調が非常に強い。その影響もあり、”漢方薬”を使用してみる事を決意。治療法としては漢方の粉末を一日朝、夜に飲み、患部には”シソ”クリームとジェルを塗るといった物である。

日本古来から、シソはアレルギー体質の人に良いと言われ、現在は飲料としても様々な商品が開発され、サプリメントでも成分を簡単に取ることが出来るようになっている。成人アトピーの旦那は毎日シソを定期的に食べるようになって、体質が少し改善された、と言う。

漢方治療を初めてから、娘の夜の発作が始まった。本人かゆくて仕方がないのだ。夫婦で殆ど寝ずに、娘の肌を撫でる。薬を飲み始めても患部は悪くならず、欲ならずという状態。漢方薬は半年以上飲み続けなくては効果が無いのだという。1ヶ月以上続けてみたが、とにかく良いのかもしれないが、もう、娘の体が半年も持たない。もうぼろぼろなのである。

「ママかゆいの!お薬塗って!!!」
「かいちゃ駄目!!良くならないから!!!」
「かゆいの・・・ママ何とかして・・・」

このかゆさに耐えきれず、幼児が車に飛び込んだという話、目の部分がかゆくてかきすぎた為失明したという話、これ以上悪化した場合命に関わると判断。病院を探した。

そして、現在”アレルギー”科に通っている。治療法はオリーブオイルによって患部を常に清潔にし、抗生物質とステロイド軟膏による患部の治療を行い、内服薬により体質改善を行うという方法である。
やはり一番効果があるのは”皮膚を綺麗にする”事であるそうだ。赤くなった患部をオリーブオイルでふき取る事により肌がしっとりとしてくるのでその上に刷り込むように軟膏を塗る。そうしていくうちにやはりステロイド剤は効果がある。1ヶ月も経たない内に、象の肌のようになっていた物がが元の白い色に戻ってきた。
今回は素人の判断でステロイド剤、ワセリンを使い分けるのではなく、病院側にて軟膏中のステロイド溶剤の割合を変更して貰う方法を取っている。
娘は現在徐々に直ってきている。指でひっかいてしまった肌の部分が、以前は赤く真っ赤に腫れ上がって居たのが、今はきちんと”傷”となり、”かさぶた”となって元の肌に戻っていくのだ。餅は餅屋、治療費も保険治療となり、家計に対する負担も少なくなり非常に助かっている。

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毎日のように、新聞紙面をアトピー関連のニュースが飛び交う。

数日前、アトピーにおける画期的な裁判がこの度結審した。元アトピーの女性がエステティックサロンにおいて超音波治療を受けた際、顔にかゆみが生じ、背中や肩にも炎症が広がり、以前患ったアトピー性皮膚炎が再発したという事例の判決で、裁判所はエステティックサロン側の非を認め、慰謝料440万円の支払いを認めたのである。関係者に話を聞くと、超音波治療器を使用すると皮膚の下側に溜まり残っていたステロイド剤が肌の表面に上がって来、症状が復活するとがあるいうのは実はエステサロンでは昔から言われてきた事であり、今まではそれらの因果関係が全く認められていなかっただけであるという。アトピー治療が完了した後も、肌に対するトラブルには続いて行くようである。

エステティックサロン側はこの判決を不服として控訴の予定であるという。

具体的治療がまだ定まらないアトピー治療。早期の治療確立を願ってやまない。娘の治療が進みましたら、最新アトピーニュースと共にお送りしたいと思う。どうぞお楽しみに!

来週のテーマは”本”です。どうぞお楽しみに






      


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