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ウイルスが生まれる理由 〜2年前の「I Love You」ウイルスをあなたは覚えていますか?

 新しいパソコンを買った時、OSを入れた後にあなたは一体何のソフトウエアをインストールするだろうか。

 現在大概のOSにはブラウザやメーラーと言った基本機能が組み込まれて居る。便利だからそうした物を利用する人も多いだろう。半年前新しいパソコンを購入した際私は一番最初にワクチンソフトをインストールした。インターネットに常時接続している事が前提の私の場合、こうしたソフトウエアをインストールしなくては、客先などに迷惑をかける可能性が高い為危険なのである。それが終えた後で又別途メーラーなどのインストールを行う。数年前はインターネット接続が必須では無かった為、マイクロソフト・オフィスなどを最初にインストールしたものだが、世の中大分変ってきた物である。

 今から2年程前、「I Love You」と言うサブジェクトのついたウイルスが全世界で大発生した。あらゆるコンピューター専門家が必死に犯人を探した結果、何と殆ど犯人が捕まる事が無いウイルス事件においては珍しく犯人が掴った。犯人は何とインターネット後進国と呼ばれるフィリピンのマニラ市在住の男性であったと言うのだ。

 警察官が踏み込んだ彼の家にはパソコンが一台も無く、とてもウイルス作者とは思えない様子であったと言う。彼はあるインタビューにおいて

「自分の名前を世界中に知らしめるにはどうしたらいいだろうか、と考えた末にやった。最小限の資材でどれだけの事が出来るのか、フィリピンにもこんなにすごい人間がいるんだぞという事を皆に知らしめたかった」

 と言っていた。つまり2年前に発生したあのウイルスは作者の自己顕示欲を満たす為の物であったのである。その後彼は証拠不十分により不起訴となり、(フィリピンにはそうしたインターネット犯罪に関する法律が無かったから、ともされている。後日法律は整備されたそうである)フィリピン国内は勿論の事海外のソフトウエアメーカーの多数のスカウトを受けたと言う。今後はもしパソコン関連の仕事を行うのであれば、できれば、余計な物は作らないで欲しいと祈るばかりである。

 では、今回発生したFrethem、サブジェクト「Re: Your password!」のウイルスは何故生まれたのであろうか。色々と調べてみると面白い事が分かる。このウイルスが発動した場合、連携プログラムを経てある特定のサイトの作者に報酬をもたらすと言うのである。つまり今回のウイルスは”報酬目当て”であったと言った所であろうか。連携プログラムの数は何と50。ウイルスの頒布は収まってきたが、今なお犯人はまだ掴っていない。

2000年5月30日
誰が発信したのか フィリピンLOVEウイルス大騒動・顛末報告
http://www.mainichi.co.jp/digital/netfile/archive/200005/30-1.html
マイクロソフト
Frethem に関する情報
http://www.microsoft.com/japan/technet/treeview/default.asp?url=/japan/technet/security/virus/frethem.asp




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