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スパム

大体私の所には一日に10-20通のスパムメールが届く。大概がアダルトサイトの勧誘であり、女性である私にとっては不愉快この上ない。普通の方もそうであろう。気のせいかもしれないが、ここ1年位の間にスパムメールの量が以前の倍以上に増えたような気がする。

「スパムメールを受け取っても苦情を出さない事、相手にアドレスが生きていることを知られてスパムの量が増えることになるので、絶対に返事を出さないこと」

初めてスパムを受け取った時に友人に言われた言葉である。この考え方はインターネットではほぼ常識となっているようで、更に友人は私にこう言った。

「たとえスパムを出した相手がみつかったとしても、すっとぼけられたらそれまでだし、法的規制も無い。かえってこちらが余計な事を言うと、”脅迫罪”と取られ訴えられかねない。たとえ相手をつきとめたとしても、あまり意味は無いのだから、決して余計なことはしないこと」

ちなみに生まれて初めて貰ったスパムメールは

「自分の娘が可愛いのは当たり前だろう!それをずらずらとHPに掲載するな!」

であった。その後も「死ね」とか「メール爆弾を送りつけるぞ」「即刻HPを閉鎖せよ!」などなど強迫めいたメールが数日続いた。その時はかなり精神的に追いつめられ、HPの閉鎖も考えたが、友人のアドバイス通り、”そんなメールは受け取っていないよ”と完全無視を決め込んだ。

しかしこれはかなり稀な例であり、その後3年以上の月日が経つが、あの時ほど強烈なスパムメールは届いた事が無い。

一般的なフリーメールアドレスを使用するのではなく、anonymouseやnobodyユーザー名を使用したかなりスパムの技術的には?高度な技術を使用したスパムメール。あきらめたのだろうか?ともかくその時はそれで解決したのである。

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スパムメールには前記した強迫まがいのメールの他に結構楽しいものもある。
皆様も一度は読んだことがあるかと思います。”どらえもんの最終話”と言った小説めいた友人などからの転送メールである。

「面白いメールを友達から貰ったんだけど、読んでみる???」

本当に楽しくて、”この喜びを皆に分けてあげたい・・・”と友人にメールを転送しまくる。結果そのメールは一般的に”スパム”と呼ばれるような分類になってしまうのだが、
これはこれで一つの文化として楽しい。私も文章力がもっとついてきたら名作?を作成して流したい位である。しかし本当にこういう名作?は私は全然ウエルカムなのである。

しかし、こういった楽しい物ばかりではなく、スパムメールの9割以上は不愉快な内容のメールばかりである。さて、ここで逆説的に考えてみよう。スパム業者は一体どうやってこの送付先メールアドレスを知ったのであろうか???

日本で一番行われているのは掲示板などに掲載されたメールアドレスなどを集めて配送リストを作成する方法である。この方法であれば、ハズレのメールアドレスの含有率が低くて済む為、ある意味かなり収拾するのには手間がかかるが、その後の運用の手間はかなり楽になる。

実際皆さんがメールを送るときの事を考えていただければ一番想像しやすいかと思います。もし正しいメールアドレスで無かった場合、メールは即刻あなたのメールボックスに戻ってきます。もし業者が1万通のスパムメールを送って、5000通戻ってきたと想像するのであれば・・・その人のパソコンはとんでもない状態になる事が想像つくかと思います。とは言ってもエラーメールをまず受け取っているとは考えられません。メールヘッダを偽造し送信している場合の方が多い。

もう一つのパターンは現在ドコモのメールなどで問題になっている、”総当たり”方式によってメールリストを作成し、配信する方法である。ドコモの場合、電話番号=メールアドレスとなっている為、先頭の090の後8桁は全て数字ということで、こういったメールリストを簡単に作成しやすい、しやすいということはスパムを出しやすいと言うことに他ならない。こういった事態から、最近ドコモのサイトに同時に大量のメールを送ると、拒否されてしまうといった事象が実際起こっている。とはいっても拒否されても拒否されても送っていれば結局全て送れてしまうので、あまり意味がないと言えば無いのだが、”送った方は無料””受信が有料”の現在の方式では、スパムの有害性は言うまでも無いだろう



ドコモ・スパム用アドレスリスト例

09000000001
09000000002
09000000003
・・・
↑業者によっては全パターンを網羅しているとテレビにて豪語していた
 おそらく戻ってきたエラーメールなどの解析も行い、よりリストを洗練させているものと想像されます

こういった”総当たり”方式のメールリストは他にもhotmailなどで見たことがある。とにかくアドレスが多いドメインのアドレスなどはこういった方法でスパムのターゲットにされる事が往々にしてあるのが実際である。”覚えやすいメールアドレス””分かりやすいメールアドレス”というのはこういう場合一番のターゲットとなりやすい。くれぐれも注意が必要である。

例 hotmail・スパム用アドレスリスト例

a@hotmail.com
aa@hotmail.com
aaa@hotmail.com
^^^^^^^^^^^
↑ここは固定なので、前の部分だけ変更を行う
    1リストに30万アドレス位を含有させ、配送することも珍しく無い 
     
では、この大量のメールアドレスを一体どうやって配送するのであろうか。
一番は自分のサイトを利用しての配信であるが、30万、100万通というメールアドレスを送ろうとした場合、回線速度と言う物が必要になって来る。実際それを計算してみると、

メルマガ1通あたりを10kと仮定すると

1通あたり 10k*1024*8/3600=22.7 k(0.0000227M)
の通信速度が必要。
仮に配信下り速度を、1秒間に64kと仮定すると
64/22.7=2.8(通)/s 送れることになります。
つまり10000通では
10000/2.8=3546.875 (秒) → 10000通送るのに必要な時間
これでは見にくいので(時間)に直すと
3546.875/3600=0.9852(時間)
→大体1時間程度かかるという計算になります。あくまで理論値ですが

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そう言われて考えてみると、スパムメールでファイルサイズが大きい物というのは以外と少ない。本当にメーラーを開いてぱっと見える範囲にしか書かれていない

ファイルサイズが小さい=高速複数配信に適している

為であるのかもしれません。わざわざスパムメールをスクロールさせて読む人も少ないと言うことなのかもしれません

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自分のサーバーを配信に使用すると、誰が送ったか分かってしまう上に、回線を長時間占有されてしまう為、非常に不便である。と考えるのは普通の発想であると思います。よって第三者中継と言う方法でスパムメールを送る方法が海外では一般的です。実際自分の使用しているサーバーが第三者中継を行っているかどうかはこちらで知ることが出来ます。
http://www.nanet.co.jp/rlytest/relaytest.html

勿論スパムを送る人はこのようなサイトに一々アクセスして、中継できるかどうか調べる訳ではありません。現在実際やられているのはメールアドレスリストを作成するのと同様、IPアドレスの絨毯爆撃による、中継サイトの検索です。

例 中継サイト検索

210.174.0.0 → 中継しない
210.174.0.1 → 中継しない

210.174.0.9 → 中継先発見!!!

*中継発見には、実際に中継するかどうかメールを配送し、確認する方法が一般的な様です。

「私しか使っていないサーバーだから大丈夫だろう・・・」なんてことは絶対に無いのです。親切丁寧?にIPを一つづつずらして敵はやって来ます。恐ろしい・・・半年前から一年前に日本の国が管理するサーバーが狙われたのは当然太い配信用の回線を狙っての事で、計画的であったろうという見方が一般的ですが、とにかく知らずに、気が付かない内に自分がスパム送信の手助けをしていた、なんてことは本当に良くあることなのです。

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当初スパムのコラムを書こうと思った時、あ、これは私が毎日来ているスパムメールの業者を特定し、スパム登録の解除を行ったという成功談にしよう、と思ったのですが、やはり色々と書いている内に、このコラムを読んで、読者の方が私がしたと同じ事をして、失敗し大量スパムの対象になる可能性があることに途中で気が付きました。まだ私のスパムに対する知識は非常に貧弱です。しかしその中で皆様のお役に立つ情報があるかもしれない、と思いコラムとして書いてみました。

自分自身を守るために、敵・スパム業者の手口を知ることは非常に重要な事であると思います。実際スパムの関連のサイトも増えています。こちらhttp://www.joy.hi-ho.ne.jp/sdc1/などはデイリーでスパムメールの情報を見ることが出来ます。国が何らかの法的手段を講じない限り、こういったスパムメールはなくならないのかもしれません。私も何か決定的な対処方法はないかと日々スパムメールを眺めています。メールマガジン=スパムメールと勘違いされ、逆にクレームを怒りのメールを受ける事もあります。メール文化を守るために、日々頑張って行きたい。又機会がありましたら、コラム スパム2を書けたらなと思います。

来週のテーマは”メールマガジン”です。どうぞお楽しみに


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