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狂牛病と巨大化金魚との関係

 3ヶ月程前に夏祭りにて手に入れた金魚が異常に成長している。自宅に来た時の正確な重量と寸法を測らなかった事が悔やまれるが、誰がどうみても金魚すくいのタモに入るサイズでは無い。
 
 「本当に???」

 自宅を訪れる人全てが頭を傾げる。実際に毎日餌をあげている人間が一番不思議に思っているのだが、ふと気になったので実際に使っている沈下型の赤いフレーク餌の内容成分を確認する。フィッシュミール・オートミール・昆虫卵・じゃがいも・鱈の肝臓・・・

彼らは毎日動物性タンパク質を摂取していたのである。これは大きくなる訳だ。

 慌てて餌を従来よく使われている、深緑色の小麦色や大豆カスなどから作られた浮上型の餌を買ってきて与えた。そうそう、昔の金魚の餌はこんな色だった。大体赤や黄色の餌など見た事が無い・・・しかし金魚は餌を入れても見向きもしようとしない。普段であれば餌を入れたとたん大喜びで水面に浮かび上がって来るのにも関わらずである。

 「えさだよー食べていいよー」

 トントントンと水槽を叩いて餌の存在をアピールするが反応無し、結局植物性の餌は3日で打ちきりとなった。金魚が全く食べず水が汚れるばかりであったからである。元の動物性タンパク質を多く含んだ餌に変えたとたん、金魚は目の色を変えて餌に飛びついてきた。巨大化した金魚。原因は餌にあったのである。
 
 「肉がそんなに美味しいかね」

 自宅の金魚はとりあえず、

 2001年9月10日、日本において初めて”狂牛病”の疑いのある牛が発見された。後日検査は陽性と判明し、日本に”狂牛病”の嵐がやって来た。狂牛病感染の原因は現在”肉骨粉”と呼ばれる狂牛病に汚染された動物性タンパク質の摂取にあると言われている。初めてこの話を聞いたとき「共食いさせていたのか!」と憤りを感じたが、勿論これには理由が理由があったのである。

 「肉骨粉を喰わせるとな、肥育がいいんだよ。肥育が」

 自宅の金魚が動物性タンパク質により巨大化した事を考えてみるとこの理由はすんなりと頭に入ってきた。狂牛病感染の悪循環はこうである。

 狂牛病に感染した牛が死ぬ → 肉は売り物にならないのでせめて骨だけでもと再加工業者に販売 → 汚染した餌が完成 → 元気な牛へ(汚染)

 イギリスにおいては”疑いあり”となったとたん牛は殺され、消却処分される。しかし日本においては、”疑いあり”となった牛を焼却処分したと発表したにも関わらず、実際は肉骨粉の工場に転売したという可能性が指摘されたとたんの記者会見において、憤慨したのは筆者のみだけでは無いだろう。

 「ははは。”処分”と言うと”焼却”処分すると主任がはやとちりしたようで、はははは申し訳ない」

この会見をした農林水産省の幹部は薬害エイズ事件の厚生省幹部と同じく、法によって罰せられる時が来るのだろうか。勿論来ないのが一番なのだが、自分の職務に対する責任感というものを全く感じさせない会見であった。

 かくして一般家庭にも”狂牛病”がやって来た。

 娘の幼稚園からは

 ”狂牛病のおそれがある為、しばらく給食に牛肉を出すことを控えます”
 と記載されたプリントが届けられ、その月の給食のメニューからは牛肉が忽然と姿を消した。自宅の夕食に牛丼などを出そうものなら

 「小さい子供も居ることだし、暫く牛肉は出さないで貰えるか」

 という旦那からの苦情が相次ぐ。”狂牛病発見”の報を受けて牛肉関連株はあっという間に値を下げ、株価は1万円を大きく割り込んだ。近所のコロッケ屋においても”千葉県産及び北海道産の牛肉は使用しておりません”という看板が並んだが、売り上げの下落に歯止めをかけることは出来なかった。

 牛は狂牛病に汚染した肉を1g食べたとしても汚染される。もし人間が狂牛病に感染した場合どうなってしまうのか、牛の脳味噌がスポンジ状になってしまった事からも想像がつくかもしれないが、簡単な症状としては、うつ病からしびれなどを訴え、痴ほう症が発症する。

 実際の例としては、イギリスにおいて1960年代に人間の大脳から分泌される成長ホルモンに低身長症の成長に効果がある、とされ汚染された人の成長ホルモンを投与された人間が狂牛病に感染されるという事件が発生した。発症後は食べ物を飲み込むことも出来なくなり、チューブにて栄養を補充する生活が約2年も続いたのだという。2001年9月28日現在、患者数は107人を数えている。汚染の潜伏期間がまだ分かっていない為、この数字が多いのか少ないのかという判断すら現在ついていない状態である

 テレビでは議員が焼き肉を食べ、安全宣言を出したが、一体何人の人がそれを信じただろうか。英の物理雑誌ネイチャーにおいても「日本政府が安全だと言い切る根拠はどこにも無い」と論破されており、実際問題、情報を調べれば調べるほど不安になってくるのは事実である。

 「内蔵部分が危ないが、牛乳は大丈夫」

 呪文のようにつぶやきながら、今日もスーパーへ夕食の買い出しに向かう。しかしこれは本当は正確な情報では無いのである。政府発表では普通の肉の部位であれば問題ないと言われているが、狂牛病のメッカイギリスにおいては、肉のカットの仕方や保存方法まで、かなり厳しい狂牛病対策がとられているのだという。いくら安全な部位であったとしても、肉をカットする際、汚染されている可能性がある髄液などが肉に飛んだ場合は当然汚染してしまう訳だから、これは当然の事である。しかし現在日本政府において、こうした二次汚染の対策案について発表は為されていない。

 心なしか牛肉の値段が下がってきているように思う。売場のおばさん達に話を聞くと、やはり肉関連の売り上げが落ち、野菜や魚の売り上げが上がってきて居るのだという。
 
 家に戻り、巨大化した金魚を見ながら思う。やはり、牛、人間、魚を含めた現代の食生活は間違っているのでは無いか、と狂牛病はもしかしたらそれらに警鐘を鳴らす為に生まれた病気であるのかもしれません。

 イギリスにおいて狂牛病騒ぎが収束した理由としては、今まで政府が「大丈夫です・大丈夫です」と安心感を与えるだけの政策から、一転、情報を全て国民に伝えるという政策に変わったからだと言われている。他人に勝手に判断されるのではなく、リスクについては自分で考え判断したい。そう思うのは人として普通の判断であると思う。現時点、狂牛病に感染する確率は交通事故に合うよりも低いと言われている。それはそうかもしれない。だからと言って万が一の確率を見逃して良いのだろうか

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 私自身ここ3週間ほど牛肉は食べていません。皆様の家庭の事情はどうでしょうか、気になる所ではあります。
 最後になりましたが、関連URLを掲載致しますので、是非ご参考に

 狂牛病情報サイト http://biotech.nikkeibp.co.jp/BSE/INDEX.html
 2ch狂牛病リンク http://nikukoppun.tripod.co.jp/
 まだ消えない狂牛病の恐怖 http://www.nwj.ne.jp/public/toppage/20010314articles/WA_dis1.html
 (かなり怖い内容です)
 狂牛病の正しい知識 Version 3.3
http://square.umin.ac.jp/massie-tmd/bse.html
 
 来週は久しぶりの旅行記、”横浜・ロイヤルウイング”の予定です。どうぞお楽しみに

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